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ChatGPTから2年、教育はどう変わったか ─ AI時代に求められる「批判的思考力」の正体

ChatGPTから2年、教育はどう変わったか ─ AI時代に求められる「批判的思考力」の正体

「AIに聞けばわかるじゃん」という言葉に、どう答えていいかわからない…そんな声をよく聞きます。

この問いへの答えは2年前よりもずっと明確になってきました。AIが賢くなればなるほど、人間側の「判断力」がより重要になっている。今日は、ChatGPTが登場してからの2年間を振り返りながら、子どもたちが本当に身につけるべき力についてお話しします。

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

1. 2年前のChatGPT ─ あの「嘘」を覚えていますか

2023年2月、私はこのブログで「チャットGPTの嘘」という記事を書きました。

当時のChatGPTに「広島県について教えて」と質問したところ、びっくりするような回答が返ってきたのです。「広島県は日本の北西部にあり、東シナ海に面しており、マグロやイクラが国内外で高く評価されている」と。

もちろん、全部デタラメです。広島県は南西部にありますし、東シナ海には面していませんし、マグロやイクラの名産地でもありません。

それらしい日本語で、自信満々に嘘をつく。これが登場したばかりのAIでした。

だから私は書いたのです。「AIに騙されない人になろう。そのためにも勉強が大切だ」と。

2. 2年後の今 ─ AIは驚くほど進化した

あれから2年。AIの進化は本当に目覚ましいものがあります。

昨年の夏、Googleが出している文章を音声に変換してくれるツールを試してみて驚きました。NotebookLMというのですが、私のブログ記事のURLを貼ってボタンを押すだけで、まるで二人の専門家が対談しているようなラジオ番組風の音声コンテンツを作ってくれるのです。しかも、私が書いていない内容まで的確に補足してくれる。

ChatGPTにも学習モードが搭載されました。二次方程式を教えてほしいと言えば、順を追って解説してくれて、練習問題まで出してくれる。課金していれば図やアニメーションも使ってくれます。

正直、人間の先生でもここまで丁寧にできる人は少ないでしょう。

Moveでも、中学生以上の個別演習中に限り、スマホやタブレットでのGoogle検索やAIへの質問を認めています。「取り上げる」のではなく、「賢く使いこなす力を育てる」ことが大切だと考えているからです。

3. それでも「嘘」は完全になくなっていない

ただし、ここで注意が必要です。

確かにAIは賢くなりました。2年前のような明らかなデタラメは減りました。でも、完全になくなったわけではありません。

実際、AIから返ってきた答えに「これ、本当かな?」と疑問を持って再質問すると、結構な確率で「申し訳ございません。私が間違えていました」という回答が返ってきます。

むしろ問題なのは、AIが「正解っぽく見せる力」が格段に上がったことです。

昨年、あるコミュニティでこのツールの話をしていたとき、ある保護者の方がこうおっしゃいました。「私もズレてないかAIにチェックしてもらおうかしら」と。

冗談だったのでしょうが、この感覚には危機感を覚えました。

AIの答えを正解だと思い込む子は、AIに取って代わられる人材になってしまいます。

4. 入試も「本質的な学力」を問う方向へ

入試の世界でも同じ方向への変化が起きています。

先日、ある高校の先生とお話ししていて印象的だったのは、「結局、真面目に勉強してきた子が報われる入試になってきましたよね」という言葉でした。

共通テストでも記述が増え、英語でも読解力が重視される傾向にある。総合型選抜(旧AO入試)でも、単なる面接だけでなく、教科の試験を課すところが増えてきました。

「入試方式は多様化している」とよく言われますが、それは「いろんな方法で学力を見る」という意味であって、「学力がなくても大丈夫」という意味ではありません。

AIが普及しても、むしろ「自分の頭で考える力」が重視される時代になっているのです。

では、その「自分の頭で考える力」とは、具体的に何を指すのでしょうか。

5. 批判的思考力 ─ AIと対峙するために

私が最も重要だと考えていることの一つに、批判的思考力(クリティカル・シンキング)があります。

これは単に「なんでも批判すればいい」という話ではありません。相手の言っていることをきちんと理解した上で、おかしなことがないかチェックする。納得できたら受け入れるし、おかしいと感じたら反論する。そういう姿勢のことです。

AIに対しても同じです。返ってきた答えを鵜呑みにせず、自分なりに吟味して理解しようとする。「これ、本当に正しいかな?」「なんか変じゃない?」という疑問を持ち続ける。

またここで別の問題があります。スマホで調べっぱなしでは、せっかくの情報も記憶に残りません。

だからMoveでは、調べた内容を「情報カード」に記録し、毎時間2〜5分の音読の時間でその内容を声に出して読み上げることを推奨しています。批判的に受け止め、納得したら自分の知識として取り入れる。この一連のプロセスこそが、知性的な学習者に必要な力だと考えています。

6. 勉強する意味は変わらない、むしろ深まった

2年前、私は「AIに振り回されない大人になるために勉強する」と書きました。

この言葉は、今も変わっていません。むしろ、AIが進化した今だからこそ、その意味がより深まったと感じています。

人は何かを考えるとき、材料が必要です。その材料は自分の持っている知識であり、その知識から物事の価値判断をしていく。つまり、勉強するということは、自分の価値観の軸を作り上げているということなのです。

「AIがあるから勉強しなくていい」は完全な間違いです。

AIを使う側の人間になるために、勉強がある。

入試を控えた皆さん、焦らず、自分の頭で考える時間を大切にしてくださいね。

2年後、また振り返ったとき、どんな風景が見えているでしょうか。楽しみですね。

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