BLOG

ご褒美で勉強させると続かない理由|自己決定理論の4段階

ご褒美で勉強させると続かない理由|自己決定理論の4段階

こんにちは。進学空間Moveの宮脇です。

「勉強しなさい」と言わないと、机に向かわない。

良い点を取ったらご褒美、という約束をしている。

そういうご家庭は、めずらしくないと思います。

ただ、そのやり方で本当にいいのだろうかと、どこかで引っかかっている方もいるのではないでしょうか。

Moveは個別演習を軸にした学習塾です。

子どもたちが自分で手を動かし、わからないところを演習と説明を通して解決していく。

その形をとっている以上、子どもがどんな気持ちで机に向かうのかは、避けて通れない問題になります。

今日は心理学の話をひとつ。

勉強に向かう気持ちには段階がある、という理論のお話です。

デシとライアンの自己決定理論

放送大学で心理学を学び直すまで、私は内発的動機づけと外発的動機づけという言葉を、知っているつもりでいました。

ただ、それをさらに細かく分類するというところまでは、手に取った本にはなかなか書かれていなかったのです。

改めて教材を読んで、なるほどと感じました。

外か内かの二択ではなく、そこにも段階があるということです。

デシとライアンという2人の研究者が提唱した、自己決定理論です。

内発的動機づけは、その行動そのものが目的になっている状態。

外発的動機づけは、その行動が別の目的の手段になっている状態です。

自己決定理論は、この区分をさらに広げます。

どれくらい自分で決めているのかという物差しで、動機づけを4つの段階に整理したのです。

いちばん他律的なのが、外的調整

学ぶこと自体に価値を認めているわけではなく、他者からの賞罰によって勉強する状態です。

次が、取り入れ的調整

はっきり誰かに言われるわけではないけれど、不安や義務感から、やらないとまずいと感じて勉強する状態です。

宿題を出していないことが後ろめたくて、慌てて机に向かう。

あの感覚がこれにあたります。

三番目が、同一化的調整

自分の将来のために必要だと、価値を感じて勉強する状態です。

そして四番目が、内的調整

勉強すること自体が面白く、楽しいと感じながら、自分から取り組む状態です。

一番目から四番目へ進むほど、自分で決めている度合いが高くなっていきます。

面白いのは、この段階の違いが勉強のやり方そのものを変えるということです。

外的調整のような他律的な状態にいる子は、学習のときに工夫がなく、内容をそのまま暗記しようとする傾向があると報告されています。

反対に内的調整に近い子は、すでに知っていることと結びつけたり、内容どうしを関連づけたりと、理解が進むやり方を自然に取るようになるのだそうです。

同じ時間机に向かっていても、中身が違ってくるわけです。

ご褒美は、勉強の価値を薄れさせることがある

ここで、ご家庭の場面を思い浮かべてみてください。

勉強しないと親に怒られる。

良い成績を取るとご褒美やお小遣いがもらえる。

どちらも、いちばん他律的な外的調整に当てはまります。

難しいところではあるのですが、ひとつ、忘れられない場面があります。

Moveで一生懸命に、そして本当に楽しそうに勉強していた子がいます。

その子がテストの直前になって、こう言いました。

このテストで良い点を取ったら、おいしいものを食べさせてもらえるのだと。

無邪気に笑っていました。

その笑顔を見ながら、私の中には割り切れないものが残りました。

楽しそうに机に向かっていたはずの時間の目的が、すっと別のものに置き換わっていくように見えたからです。

もちろん、ご家庭が良かれと思ってされていることです。

だからこそ、なかなか難しく感じる場面でもありました。

心理学には、アンダーマイニング効果という言葉があります。

もともと面白いと感じていたことに報酬を与えると、かえってその行動への意欲が下がってしまう現象を指します。

勉強そのものよりも、ご褒美のほうが目的になってしまう。

長い目で見ると、勉強そのものに価値を感じなくなっていきます。

せっかく机に向かった時間が、そういう形で終わってしまうのは、もったいない話です。

このアンダーマイニング効果については、以前にも「テストでご褒美」が逆効果になる理由勉強は楽しいから勉強するという記事で書きました。

繰り返し書いてしまうくらい、私が気にしているところです。

では、Moveはどうやって内側から動かしているのか

ここまで読んで、では実際どうすればいいのかと思われたかもしれません。

私が教室で感じていることとして、お聞きいただけたらと思います。

子どもたちは、自分でやれる場所があると、進んでやろうとします。

大人が、あれをやろう、これをやろう、次はこのプリントをやろうと、手取り足取り教えすぎない。

昨日の記事、先取り学習は本当に得なのかでも書きましたが、ヴィゴツキーの発達の最近接領域という理論があります。

一人ではできないけれど、大人が手を貸せばできる。

その二つの水準の開きのことです。

その領域を見極めて、自分でやろうとしているところを、認める。

そして、そもそも自分でやれる状態を、環境として先に用意しておく。

これが、子どものやる気を内側から引き上げるのだと感じています。

つまり、Moveが個別演習であること。

子どもたちが自分で手を動かすことを主軸にしていること。

その体制そのものが、実はとても大事なのだと実感しているところです。

「ふふ」という顔を見られる仕事

実際に、そうやって変わっていく子がいます。

昨日も、こんなことがありました。

入塾前には、その科目をすごく苦手だと言っていた子です。

その子が、同じ科目の問題をすらすらと解いて、手を動かし続けていました。

ずいぶん進歩したね。

できるようになったね。

そう声をかけると、ふふ、という顔をするのです。

ああいう顔を見られるのは、塾の人間として本当に嬉しいものです。

それがテストの得点に現れてくれるといいなと思いながら、今まさに見守っている最中です。

他律的な勉強は、苦しい

ここからは、私自身の経験の話をさせてください。

他律的な勉強というのは、苦しいものです。

やっていても、面白くない。

自分の過去を振り返っても、そう思います。

自分でやろうと決めて、自ら取り組み出したときに、初めて面白いと感じました。

だからこそ、わざわざその苦しい状態を生むような方法を最初に選ばなくてもいいのではないか、と思うのです。

もちろん、入り口が外からの働きかけであること自体を否定したいわけではありません。

親に言われたから、という始まり方をする子はたくさんいます。

問題は、そこで止まってしまうかどうかです。

そして、賞罰で動かす関わり方から離れていくことは、学習塾だけでどうにかなるものでもありません。

ご家庭との連携の中でしか、動かせない部分があると感じています。

叱られるから机に向かう子を、面白いから机に向かう子へ。

そこに時間をかけたいと考えています。

とはいえ、ご家庭のやり方に、塾がどこまで口を出していいのか。

そこは今も迷っているところです。

だからこそ、こちらの考えを知っていただきたくて、こうしてブログを書いています。

みなさんのご家庭では、どうされているでしょうか。

考え方をお聞かせいただけたら嬉しいです。

Moveの学習環境を、体験してみませんか?

子どもが「自分から机に向かう」環境を、無料体験で確かめられます。無理な勧誘は一切いたしません。まずは親御さんだけでも、お気軽にどうぞ。

無料体験・学習相談を予約フォームから24時間受付中 LINEで気軽に相談友だち追加してメッセージするだけ
お電話でのお問い合わせもお気軽に 082-962-4488
📞電話 LINE 無料体験を予約
LINEで相談